国際バカロレア(IB)情報

2026.10.06

IB MYP(ミドルイヤーズプログラム)とは?科目・評価・DPへの繋げ方


MYPとは、国際バカロレア(IB)が11〜16歳向けに提供する5年間の教育プログラムです。この記事では、MYPで学ぶ8教科や評価の仕組み、2つのプロジェクトに加えて、MYPでの学びをDPにどうつなげていくかを解説します。

MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム)とは

MYP(Middle Years Programme)は、IBの4つのプログラムのうち、PYP(初等教育)とDP(高校段階)の間に位置するプログラムです。IB機構によると、対象は11〜16歳で、5年間のプログラムとして設計されています。2〜4年の短縮形式で実施することも認められており、学校によってMYPとして扱う学年は異なります。

文部科学省「IB教育推進コンソーシアム」によると、MYPはどの言語でも提供できます。英語で実施する学校もあれば、日本語で実施する学校もあります。

アメリカの学校制度では日本の中学校に相当する学校を「ミドルスクール」と呼びますが、ミドル・イヤーズ・プログラムとは直接の関係はありません。学校制度の「ミドルスクール」との関係については、こちらの記事で解説しています。

ミドルスクールとは(日本の学年との対応とMYP)はこちら

MYPで学ぶ8つの教科グループ

MYPでは、「言語と文学」「言語の習得」「個人と社会」「理科」「数学」「芸術」「保健体育」「デザイン」の8教科を学びます。たとえば「個人と社会」には歴史や地理、「理科」には生物・化学・物理が含まれ、複数の科目をまとめて1つの教科として扱うことが多いのが特徴です。

IB機構によると、各教科には毎年50時間以上の授業時間が必要です。4〜5年次には、一定の条件のもとで8教科のうち6教科に絞って履修することもでき、地域の教育制度や生徒一人ひとりの学習ニーズに対応できるようになっています。

また、毎年少なくとも1回、2つ以上の教科をまたいで計画された「学際的な単元」に取り組みます。教科の境界をあえて固定しない点も、MYPの大きな特徴です。

MYPの学びを支える3つの柱(グローバルな文脈・重要概念・ATLスキル)

MYP(中等教育プログラム)では、教科の枠を超えて、現実世界と結びついた深い学び(探究学習)を行います。この探究を支える大切な要素が、「グローバルな文脈」「重要概念」「ATLスキル」です。

グローバルな文脈

教室での学びを「現実世界」へとつなぐ切り口です。生徒は以下の6つのテーマから世界を見つめ、社会のリアルな課題にアプローチします。

✓ アイデンティティと関係性(Identities and relationships)
✓ 個人と文化の表現(Personal and cultural expression)
✓ 空間と時間のオリエンテーション(Orientation in space and time)
✓ 科学と技術のイノベーション(Scientific and technical innovation)
✓ 公平性と発展(Fairness and development)
✓ グローバル化と持続可能性(Globalization and sustainability)
重要概念(16の主要な教科横断的概念)

「重要概念(Key Concepts)」は、「コミュニケーション」「創造性」「視点」など、教科の枠を越えて応用できる16の本質的な考え方です。これらを軸にすることで、一つの教科に留まらない広い視野を養います。

ATLスキル(学習の方法)

これらすべての探究を進める土台となる、一生モノの「学び方」です。リサーチ力や思考力、自己管理力など、社会に出てからも役立つ実践的なスキルを育てます。

MYPの評価の仕組み

MYPの評価は、教科ごとに定められた4つの評価規準(A〜D)に沿って行われます。各規準を0〜8の段階で評価し、その合計をもとに1〜7の最終成績がつきます。他の生徒と比べて順位をつけるのではなく、規準にどこまで到達したかで評価される仕組みです。

MYPの最終学年には、IB機構による外部評価(eAssessment)があります。受けるかどうかは任意で、受験した生徒は「IB MYP Certificate」の対象になります。外部評価を実施しているかどうかは学校によって異なります。

コミュニティープロジェクトとパーソナルプロジェクト

MYPでは、学びの集大成として2つのプロジェクトが位置づけられています。

コミュニティープロジェクト

コミュニティープロジェクトは、主に3年次または4年次に取り組むもので、地域社会のニーズに目を向け、奉仕活動を通じた学び(サービスラーニング)によって課題に取り組みます。個人または3人までのグループで行います。

パーソナルプロジェクト

パーソナルプロジェクトは、5年次に個人で取り組む長期のプロジェクトです。自分の関心分野を掘り下げ、ATLスキルを実践しながら、創造的な作品や学習成果をまとめます。

どの学年をMYPとして実施するかによって、どちらか一方のみを行う学校もあります。

MYPからDPへの繋げ方

IB機構は、MYPを修了した生徒はDPやCPに取り組む準備が整っているとしています。MYPでの学びをDPに生かすために、次の3点を意識しておくと効果的です。

1つ目:評価規準に沿って学ぶ習慣

DPの課題やエッセイも評価規準に基づいて採点されます。MYPのうちから規準を読んで課題に取り組み、フィードバックを次に生かす習慣をつけておくと、DPでの得点力につながります。

2つ目:長期プロジェクトの経験を生かすこと

パーソナルプロジェクトで身につけたテーマ設定や計画、振り返りの力は、DPで取り組む4,000語の課題論文(EE)の土台になります。

3つ目:DPの科目選択を見据えること

DPでは6科目のうち3〜4科目を上級レベル(HL)で学びます。MYPの4〜5年次から、得意な教科や志望する進路を意識しておくと、DPで納得のいく科目選択がしやすくなります。

よくある質問

Q. 日本にMYPを受けられる学校はどのくらいありますか?

A. 文部科学省「IB教育推進コンソーシアム」によると、令和8年6月30日時点で国内のMYP認定校は48校、候補校は10校です。受け入れ学年や編入の条件は学校ごとに異なります。

国際バカロレア認定校の一覧はこちら

まとめ

MYPは、8教科をグローバルな文脈と重要概念で結びつけながら学び、評価規準に沿って成長を測る11〜16歳向けのプログラムです。評価規準に沿って学ぶ習慣やパーソナルプロジェクトの経験は、そのままDPでの学びの土台になります。

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