国際バカロレア(IB)情報
2026.10.13
IB学習者像(Learner Profile)10項目とは?各項目の意味と育て方

IBの学習者像(IB Learner Profile)とは、国際バカロレア(IB)が目指す人物像を10の姿で表したものです。この記事では、学習者像の位置づけと10項目それぞれの意味、日常の学習や生活での具体例、家庭での育て方を解説します。
1. IBの学習者像とは
文部科学省「IB教育推進コンソーシアム」によると、IBの学習者像は「IBの使命」を具体化したもので、IB認定校が価値を置く人間性を10の人物像として表したものです。「国際的な視野をもつとはどういうことか」という問いに対する、IBの答えの中核と位置づけられています。IBの使命では、多様な文化の理解と尊重を通じて、より良く平和な世界を築くことに貢献する若者の育成が掲げられており、学習者像はその理念を一人ひとりの具体的な姿に落とし込んだものといえます。
学習者像は、PYP・MYP・DPなどIBのすべてのプログラムに共通する考え方で、授業だけでなく課外活動や学校生活全体を通じて育まれます。
2. 10項目の意味と日常での具体例
日本語の名称は、文部科学省「IB教育推進コンソーシアム」の表記によります。
好奇心をもち、自ら調べて学ぶ喜びを持ち続ける人。
例:授業で生まれた疑問を、家に帰ってから本やインターネットで調べてみる。
幅広い分野の知識と概念的な理解を深め、社会の課題にも目を向ける人。
例:ニュースで知った出来事を、授業で学んだ内容と結びつけて考える。
批判的かつ創造的に考え、筋道の通った判断をする人。
例:ある意見について、根拠が十分かどうかを自分で確かめる。
複数の言語や方法で自分を表現し、相手の考えにも耳を傾ける人。
例:グループ活動で自分の意見を伝えつつ、他のメンバーの提案もきちんと聞く。
誠実に行動し、自分の行動に責任をもつ人。
例:課題で他人の文章を使うときは、出典を明記する。
自分の文化を大切にしながら、異なる価値観や視点も受け止める人。
例:自分と違う意見を聞いたとき、すぐに否定せずに理由を尋ねる。
共感と尊重の心をもち、人や社会のために行動する人。
例:困っているクラスメートに声をかけ、手助けする。
不確かな状況にも、よく考えたうえで前向きに取り組む人。
例:苦手な分野のテーマに、あえてプロジェクトで取り組んでみる。
知性・身体・心のバランスを大切にする人。
例:試験前でも睡眠や運動の時間を確保する。
自分の考えや経験を深く見つめ、次の学びに生かす人。
例:返却された課題のフィードバックを読み、次に改善する点を書き出す。
3. 学校生活のなかでの学習者像
学習者像はテストで点数をつける項目ではなく、生徒が自分の成長を考えるための共通の言葉として使われることが多いものです。教室に10の人物像を掲示したり、活動の後に「どの学習者像を意識できたか」を振り返ったりする学校もあります。
MYPのパーソナルプロジェクトやDPのCASでは、計画・実行・振り返りの過程が重視され、「探究する人」「挑戦する人」「振り返りができる人」といった姿を実際の経験のなかで育てる機会になっています。学習者像が「目指す姿」なら、そこに近づくための具体的な学び方を示したものが「ATLスキル」です。
4. 家庭での育て方
学習者像は、家庭での関わり方によっても育てることができます。
子どもの「なぜ?」に一緒に向き合い、すぐに答えを与えずに調べ方を示すことは、「探究する人」「考える人」を育てます。結果だけでなく過程について話し、うまくいったことや次に工夫したいことを言葉にする習慣は、「振り返りができる人」につながります。失敗を責めずに挑戦したこと自体を認める姿勢は、「挑戦する人」を後押しします。
ただ、学年が上がり、課題が英語で高度になるほど、家庭だけで学びの中身まで支えるのは難しくなります。オンライン家庭教師WAMのIBOコースでは、IB指導経験のある講師がお子さま一人ひとりの課題に向き合い、日本人の学習アドバイザーが日本語で学習の進み具合を管理しています。
よくある質問
Q. 10項目すべてを身につける必要がありますか?
A. 全てを身につける必要はありません。
学習者像は、生涯を通じて目指す姿として示されたものです。10項目すべてにおいて完璧を目指すのではなく、日々の行動で各項目を意識しながら成長し続けることが大切です。
まとめ
IBの学習者像は、IBの使命を具体化し、IB認定校が大切にする人間性を10項目で表したものです。日常の小さな場面にも表れるため、学校と家庭の両方で意識することで、子どもの成長を後押しできます。
